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休眠法人を不透明売買 6000万、書類に偽名? 文科省調査(産経新聞)

 財団法人「東興協会」(東京都江戸川区)が、公益法人売買のブローカーに6千万円で売却を依頼していたことが3日、産経新聞が入手した資料や関係者への取材で分かった。税制上の優遇措置がある公益法人は“税逃れ”に悪用されやすいが、売買を規制する法はなく、実態の把握は難しいのが現状だ。東興協会は以前、脱税事件の舞台になっており、今回の売却依頼の経緯にも不透明な点が多い。所管する文部科学省もこうした事実を把握しており、調査に乗り出した。

 文科省などによると、東興協会は昭和29年設立。武道の振興を目指す大会開催などを事業目的とし、1992(平成4)年のバルセロナ五輪で公開競技だったテコンドーの後援にも携わった。平成19年以降は事実上の休眠状態だという。

 関係者によると、東興協会は昨年9月、都内のブローカーに経営の譲渡先探しを依頼。全役員を辞任させ、協会が所有する神奈川県厚木市の土地(約2140平方メートル)もつける条件で、譲渡希望額6千万円を提示したという。産経新聞が入手した資料にも同様の趣旨の記載があり、ほかにも協会の印鑑証明書や土地の公図、登記簿などの書類が添付されていた。

 ただ、公益法人のうち財団法人は重要な手続きが評議員会の決議だけで済むため、理事の変更や架空の議事録作成は比較的簡単とされる。文科省によると、協会がブローカーに提出した書類には、一部の役員が身元を隠すために偽名を使った可能性もあるという。

 東興協会は10年5月、資産家が協会に約13億円の寄付をしたように装った領収書などを偽造、所得税3億円余りを脱税したとして元理事長が逮捕されている。

 ■税逃れの温床に

 財団法人を含む公益法人は社会的信用が高く、税制上の優遇措置もあるため、休眠法人を狙った売買が後を絶たず、不正の温床になっているとの指摘もある。国は平成20年12月、公益法人改革関連法を施行し、天下りや補助金で役人と結び付く事態の改善を図ったが、公益法人の売買規制までには踏み込んでいない。

 文部科学省の担当者は「休眠法人を悪用するケースがあるとは聞いているが、表に出ることはほとんどなく、売買の実態を把握するのは難しい。現状で何らかの手を打てないか模索している」と話している。

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